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2009-07-3120090731

[]Flight of the Phoenix Flight of the Phoenix - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Flight of the Phoenix - 拡散していけど、とりもなおさず Flight of the Phoenix - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 原題の「Phoenix」は、作中では墜落した飛行機のパーツを分解して新たに飛行機を組み立てるのだが、それを不死鳥になぞらえてキャラクターの一人がその飛行機につけた名前

 以下ネタバレ含む




 非常に見やすい映画だとは思う


 キャラクターは頭数こそ多いが、ストーリーの進行上重要なキャラクターはリーダー的な役割を演じるフランク(でにす・くえいど)と、飛行機の再建を指揮するエリオット(じょヴぁんに・りびし)の二人に絞られ、それぞれのキャラクターの背景を説明することもなく、「墜落した飛行機のパーツを使って新たに飛行機を組み立てて砂漠から脱出する」ということを描くことに特化した作りになっている

 墜落するシーンの描写にかなり力が入っているし、砂漠を脱出するには新たに飛行機を組み立てるしか選択肢がないことがわかりやすく説明され、ひたすらその目標に向かっていく



 だが、そのせいでかなり物足りなさがあるのも事実


 まず、キャラクターに魅力がない

 フランクは他人の意見を尊重するというよりは簡単に他人の意見に左右されるし、これといった活躍をするでもなく主人公としては魅力に欠けるし、エリオットもストーリー上の障壁となるにはアクがなさ過ぎる

 下手に恋愛の要素が入っていないのもストーリーがシンプルに進行していく手助けになっているが、それだったら紅一点のケリー(みらんだ・おっとー)がいる必要もないと思うし、一行の邪魔をする盗賊たちもボスキャラみたいなのが存在しないのでストーリーを盛り上げるには役不足


 ストーリーも味気ない

 カタルシスを得るために、もうちょっと飛行機の組み立てを通じて乗客たちが絆を強めたり、エリオットなり盗賊なりが組み立ての邪魔をしてくれればいいのだが、すいすいと飛行機が組み立てられていくし、キャラクター間の関係が描かれることもないので、そういうことが一切ない

 暖を取るために焚き火をしていたら燃料に引火するというシーンを入れるのなら、その爆発のせいで盗賊がフランクたちの存在に気づいたという描写を入れるとか、いくらでも面白く出来る要素はあると思うのだが


 よく出来た映画だと思うのだが、かなり退屈だった



 さて、IMDbによれば

The model used for the crash sequence cost $250,000 and was so perfectly built it actually flew further than the crew and testing had predicted. In fact it flew so far it hit the camera filming it and broke the cameraman's leg.

 墜落シーンのために作られた模型は25万ドルかかったが、撮影の際にそれを撮影したカメラを破壊し、カメラマンの足を折った

Miranda Otto's character was not in the original version of the film.

 みらんだ・おっとーのキャラクタはーオリジナル版にはないもの

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2009-07-3020090730

[]瀬戸内少年野球団 瀬戸内少年野球団 - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - 瀬戸内少年野球団 - 拡散していけど、とりもなおさず 瀬戸内少年野球団 - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 いい映画

 題名は原作小説から

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 敗戦直後の淡路島、小学校教師である中井駒子(なつめまさこ)は夫の正夫(ごうひろみ)の戦死の報を聞き、住んでいた正夫の実家から出て行こうかと悩む一方で、正夫の弟の鉄夫(わたなべけん)から言い寄られて困っていた

 だが、正夫は生きており、島に極秘のうちに帰って来ていたが、駒子に会いにいくことが出来ず、しかし駒子の教え子達に偶然会ったことを何らかの契機と思い呼び出してもらうが、駒子も鉄夫と肉体関係を持ってしまったことを後ろめたく思ったのかその呼び出しに応じず、教え子達に連絡先を教えることを約束し、島を去った

 その連絡先を駒子に伝えたことで、駒子と正夫は再会し、駒子の教え子達と野球チームを組むことになる



 題名とは裏腹に、前半は駒子と正夫を中心としたストーリーが続き、野球の要素は出てこない

 

 戦地から負傷して帰ってきた正夫は第二次世界大戦で傷ついてしまった日本人、正夫を無視しようとする鉄夫は戦前や戦時の日本を否定しようとする精神、野球はアメリカ人の比喩と考えて差支えがないだろうと思う

 どんなに傷つこうが目の前には生活が待っているわけで、戦時中は敵だったアメリカにどんな感情を抱こうが、進駐軍を受け入れなければならない

 過去をとやかく言うのではなく、直向きに生きていこうという意志を、駒子と正夫がアメリカの象徴である野球をすることによって描こうとしたのだろうと思う



 駒子の教え子達、波多野武女(さくらしおり)、足柄竜太(やまうちたかや)、正木三郎(おおもりよしゆき)の三角関係も描かれるが中途半端な印象なので、いっそ駒子、正夫、鉄夫の三角関係のほうを大幅にクローズアップして描いたほうがより面白くなったのではないかと思う

 ベタだけど細かい演出(鉄夫が駒子を襲うシーンで二人の顔を映さずに延々と足元を撮るところとか、正木三郎が憧れている兄と同じ靴を履いて靴に座って足をブラブラさせているところを映したりとか)もよかった

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2009-07-2920090729

[]浮草 浮草 - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - 浮草 - 拡散していけど、とりもなおさず 浮草 - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 いい映画

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 「愛するが故に傷つけ合ってしまう」というストーリーをベタに語りきった映画


 旅役者の一座の座長である嵐駒十郎(なかむらがんじろう)は、現在はすみ子(きょうまちこ)という同じ一座の女優と付き合っているのだが、かつて清(かわぐちひろし)という子供を産ませたお芳(すぎむらはるこ)が住む町へ興行に行った際にはお芳と会い、清とも釣りなどに行ったりする

 一座の一部の人間はその公然の秘密を知っているが、それを知らなかったすみ子はお芳の所在を突き止め、駒十郎とお芳を非難し、それだけでは飽き足らず、一座の若い女優の加代(わかおあやこ)に清を誘惑させ、駒十郎たちに苦痛を与えようとする

 しかし、清と加代は本気で恋に落ちてしまい駆け落ちをしてしまうが、清の将来を慮った加代が家に帰るように諌め家に帰ったところ、これまで自身が清の父であることを隠していたがそれを清に打ち明けようと待ち構えていた駒十郎が二人の姿を見て激怒、直前に一座が解散してしまったためにお芳の家に落ち着こうと思っていた駒十郎は当て所もない旅に出ることを決意し駅に行ったところ、同じ目的で駅にいたすみ子と再開し、何となく和解した二人は一緒に旅をすることになる


 相手が浮気しようが大らかに許せてしまう大人の駒十郎とお芳が全てをうやむやにしようとするのに対し、血気盛んなすみ子、清が事を荒立てようとする構図で、大人の二人が事態の収拾を図ろうとしているのに、すみ子と清がそれを許さないので、それがストーリーにほどよい緊張感を与えている

 しかし、全体的にキャラクターが関西弁を喋っているのと、一座の俳優達が他愛もない女性に関する話を延々としているので作品の印象としてはのほほんとした感じ



 これといった派手なエピソードがないために、正直中盤は退屈したのだが、終盤の愛し合う人間達が分かり合えているのに理解を拒絶するという隔靴掻痒な感じ、お互い愛し合っているのに意固地になってそれを否定しようとする感じと、駒十郎の何ともいえない全てをなあなあで済ませようとするキャラクターがいいなと思った

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2009-07-2820090728

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 いい映画

 題名は原作のコミックからきているが、由来はWikipediaが詳しい

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 絶対的な正義というのは絶対的な悪と変わらないのかもしれない


 犯罪者達を取り締まるヒーロー達の集団の「ウォッチメン」のメンバーが次々と殺されていく事件を追っていくロールシャッハ(じゃっきー・あーる・へいりー)は犯罪者を次々と殺していくし、ウォッチメンの前身である「ミニットメン」からのメンバーであるコメディアン(じぇふりー・でぃーん・もーがん)も自らの私欲のために銃をぶっ放し、私生児を身篭ったベトナム人を殺す

 あまつさえ、「世界で最も賢い男」であるオジマンディアス(ましゅー・ぐーど)は世界中の都市を攻撃し、それをDr.マンハッタン(びりー・くらだっぷ)の仕業に見せかけ、米露の対立を解消しようとする

 

 オジマンディアスは私心で世界中を攻撃したわけではないし、Dr.マンハッタンが米露から狙われても困らない、地球外でも生存できる能力と精神を持ち合わせており、オジマンディアスの行動が合理的であるとDr.マンハッタンが同意することを計算に入れてのことだと思うが、この行動は倫理的にどうなのだろうかなと思う

 「世界で最も賢い男」であるオジマンディアスや、あらゆる原子を操ることができるDr.マンハッタンにとって、世界を滅ぼすことは容易いことだろうと思うが、そこで彼らが選択したのは悪に染まらないということだ

 しかし、結局はオジマンディアスが何千万人もの人たちを殺したことには変わりないし、自分達を超法規的な存在であると自認しているが故の傲慢な行動にしか思えなかった

 上に絶対的な正義というのは絶対的な悪と変わらないのかもしれないと書いたが、ウォッチメンたち、とりわけオジマンディアスとDr.マンハッタンのような倫理を超越したような立場からすれば、オジマンディアスの取った行動は正義であり、ロールシャッハからしたらその行動は納得できなかった

 この世に正義も悪もなく、個々人の視点や主観の中にしかそれは存在しない



 この映画の出した結論には納得できなかったのだが、この映画の持つテーマの着地点としてはああいう終わり方しかなかったのかなと思う

 正直、ロールシャッハが警察に捕まったり、ナイトオウル(ぱとりっく・うぃるそん)とシルク・スペクター(まりん・あっかーまん)が火災現場に救援活動に行った後にラブシーンが入ったりするなど、ウォッチメンのメンバーが殺された事件や米露の間の緊張などの流れをぶった切っている感じがして中盤はだらけているなと思うものの、広げた大風呂敷を上手くたためてはいないが、力技で何とかたためたのではないかと思うし、あのラストでかなり自分の中の評価が上がった

 絶対的な正義は存在しないが、たとえ傲慢だろうと誰かが決断しなければならないこともある



 さて、IMDbによれば

During early development in the early 1990s, mainly focused around the screenplay by Sam Hamm, early casting rumors included John Hurt and Robin Williams and as Rorschach, Arnold Schwarzenegger and Dolph Lundgren as Dr. Manhattan, Jamie Lee Curtis as Silk Spectre, Tommy Lee Jones and Gary Busey as the Comedian, and both Richard Gere and Kevin Costner considered for the role of NiteOwl. The project underwent numerous rewrites under director Terry Gilliam and his collaborator Charles McKeown, but got eventually shelved by Warner Bros

 90年代初期にはさむ・はむの脚本で、じょん・はーとやろびん・うぃりあむずがロールシャッハ役、しゅわるつぇねっがーやどるふ・らんぐれんがDr.マンハッタン役、じぇいみー・りー・かーてぃすがシルク・スペクター役、とみー・りー・じょーんずやげいりー・ぶーじーがコメディアン役、りちゃーど・ぎあやけヴぃん・こすなーがナイトオウル役の候補にあがり、その後てりー・ぎりあむに監督の話がいったりした

The rights to produce this movie were acquired in a deal that originally also included adaptation rights to V for Vendetta (2005), also authored by Alan Moore. "Vendetta"-producer Joel Silver was also going to produce this one when Terry Gilliam was still attached as a director.

 本作の映画化権はてりー・ぎりあむが監督するという話があった頃に、原作者が同じである『Vフォー・ヴェンデッタ』と共に獲得された

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Carla Gugino and Malin Akerman play mother and daughter in this film. They have both also played love interests of Ben Stiller. Gugino played Rebecca Hutman in Night at the Museum (2006) and Akerman played Lila in The Heartbreak Kid (2007).

 かーら・ぐぎーのとまりーん・あっかーまんは親子を演じているが、二人とも『ナイト・ミュージアム』と『ライラにお手あげ』でべん・すてぃらーの相手役を演じている

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2009-07-2720090727

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 面白くない

 邦題が似ているが『アリー my Love』とは全く関係がない(と思う)

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 慎重な性格の保険会社で査定をしているルーベン・フェファー(べん・すてぃらー)が、真逆の性格のポリー・プライス(じぇにふぁー・あにすとん)と恋に落ちるというベタなラブコメなのだが、それがしっかりと描けていないと思う

 正反対の性格であるはずの二人が恋に落ちていくことにより歩み寄っていくということを描くにはルーベンの真面目な性格、ポリーのルーズな性格をしっかりと描かなければその落差が理解できないと思うのだがそれが出来ていないし、ルーベンがおっちょこちょいなことをするが、それをポリーが全て受け入れていくので笑いが生まれない

 エピソードも面白くないし、笑いの質も低いし、それぞれのキャラクターの存在意義もよくわからない


 せめてべん・すてぃらーとじぇにふぁー・あにすとんのキャラクターが逆だったらと思うが、どう考えてもこの映画が面白くなれる要素がない



 さて、IMDbによれば

The movie poster for Sandy Lyle's only film is a direct copy of the poster for The Breakfast Club (1985)

 サンディ・ライル(注:ふぃりっぷ・しーもあ・ほふまんが演じた役)が唯一出演した映画のポスターは『ブレックファスト・クラブ』のコピー

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At one point, Jennifer Aniston was shooting "Friends" (1994), Bruce Almighty (2003) and this movie at the same time.

 じぇにふぁー・あにすとんは本作と『フレンズ』、『ブルース・オールマイティ』を並行して撮影していた

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Reuben (Ben Stiller) writes a list to compare Polly (Jennifer Aniston) against Lisa (Debra Messing). This is found by Polly and leads to an argument. This is similar to Season 2 of "Friends" (1994) when Rachel (Aniston) is compared to Ross's (David Schwimmer) current girlfriend.

 リューベンがポリーと元カノを比べて、ポリーと喧嘩になるが、『フレンズ』の第二シーズンにも同じようなエピソードがある

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According to an interview, Jennifer Aniston stated that the reasons she worked on this film was both to work with her friend Ben Stiller and to dance the salsa.

 じぇにふぁー・あにすとんが本作に参加したのは、友人であるべん・すてぃらーが出演するのと、サルサを踊ることが出来るため

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2009-07-2620090726

[]フレフレ少女 フレフレ少女 - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - フレフレ少女 - 拡散していけど、とりもなおさず フレフレ少女 - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 駄作

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 男の世界である応援団に女性が飛び込むというのはベタだがそこまで悪いアイデアではないと思う

 しかし、全体的に、この映画をどうしたいのかという意志が感じられないので面白みがない

 見る前は、単なるガッキーのプロモーション映画と思っていたのだが、プロモーションすら出来ていない


 まず、シリアスで行くかコメディで行くかという路線が見えない

 シリアスで行くのなら不知火との戦いで、相手が打ったホームランを「気」を送って止めようとするところとか、変な応援の仕方とか(「大地の力を桜木に!アース!アース!アース!GO!」 「天の力を桜木に!ヘブン!ヘブン!ヘブン!GO!」 「人の力を桜木に!HEARTS!HEARTS!HEARTS!GO!」 っていう掛け声とか)は止めた方がよかったと思うし、コメディで行くのなら(予算の都合で使えなかったのかもしれないが)CGを多用するなどして百山桃子(あらがきゆい)の妄想好きという設定を上手く使って欲しかった

 

 予算も時間もかけずに作られたことは伝わってきて、高校生の役をしている役者にも華がないのだが、メイクや演出次第でどうにでもなったと思う

 不知火高校の応援団長とか、ないとうたかし、もろもろおかなど、核になるキャラクターはいくらでもあったのだが

 予算がない分、役者が努力して応援団などの練習をしたと思うのだが、こんなにベタなドラマなのに引いた映像で役者の顔があまり見えないので、そのストーリーが全く伝わってこない

 一例を挙げれば、桃子が応援団に入ったのは同じ高校の野球部の大嶋(ほんだたくと)に惚れてしまったからだが、大嶋の顔を大写しにしないために桃子の気持ちが伝わってこない

 

 文学少女の女子高生が、好きな男のために無理をして、その恋に破れ、自分を好きになってくれた人の気持ちに応えるっていうそれだけのストーリーを、何でこんなにも描けないかなと思う

 この監督は何も映画のツボをわかってないとしか言いようがない

 予算も時間もない上に、アイデアもないのなら無理して映画を作ることないじゃないかって思う

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2009-07-2520090725

[]グミ・チョコレート・パイン グミ・チョコレート・パイン - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - グミ・チョコレート・パイン - 拡散していけど、とりもなおさず グミ・チョコレート・パイン - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 いい映画

 題名は劇中で山口美甘子(くろかわめい)が人生はジャンケン遊びのようである(勝った人間がその出した手によって歩ける歩数を決めるゲームで、グーがグミ、チョキがチョコレート、パーがパインで、ジャンケンで勝ち続けた人間と負け続ける人間とでは距離が空いてしまうということ)と評したことから

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 2007年、大人になった大橋賢三(おおもりなお)はリストラに遭い実家に戻るが、自分宛で溜まっていた郵便物の中に高校時代好きだった山口美甘子からの手紙が混じっているのを見つける

 それは終盤で、同じく山口美甘子のことを好きだった同級生の山之上(えもとたすく)が、死の直前に山口美甘子を見舞った際に賢三宛に預かった3枚の便箋のうちの1枚であることがわかるわけだが、人生というものはそういうものではないかなと思う


 全ての出来事は、既に文字にされている

 しかし、それが手紙になって届くのは、その出来事のことなんてさっぱり忘れ去ってしまった頃、全ては取り返しが付かなくなってしまってからである

 その手紙に書いてあることが何であるかすらわからないまま、その手紙を舐めまわすように読んでみるが、全ては手遅れであり、そうこうしている間に時間は過ぎ去ってしまう



 青春の最中にある人間は、自分が青春の最中にいる意識なんかはない

 ただ、自分だけは特別であるという全能感を抱き、他人を理解しようともしないくせに他人は自分より劣っているのだと思い込もうとするが、好きな異性だけはまるで理解できていないのに特別な人間だと思う

 青春が過ぎ去ってしまえばそんなのは幻想で、自分と他人は何も変わらないし、青春自体に抱いていたある種の高揚感から冷めてしまった時に落ちぶれたような錯覚に陥るのだが、クソッタレな人間は学生時代からクソッタレであることに変わりはない


 この映画は青春から抜け出ようとする過程にある賢三と、既に青春から抜け出てしまっている山口美甘子を、青春時代なんて忘却の彼方に追いやられてしまった2007年の賢三がなす術もなく思い出しているという構造をしている

 賢三と美甘子が一緒にいる場面を第三者が見ているところが出てこないから、二人が一緒に行動していることや、ひょっとしたら美甘子の存在自体が空想の産物であるとも考えたのだが、美甘子は賢三の青春からの脱却を先導する役割を担っている、もしくはその行為の比喩と捉えてもいいのかもしれない

 まぁ、自分がよく使う言葉でいえば「イノセントの喪失」がテーマか



 賢三が間違えて買ってしまったおしるこを美甘子が好きでいたというエピソード以外は、細かいところで笑えたりほろっと来たりするところはあるものの、上手い話というのはあまり見当たらないのだがいい話が多いし、非モテ、非コミュの人間のムードをこれでもかとすくった作りはいいなと思うし、高校時代にバンドを組んだ4人の演技は、高校生の不審で甘酸っぱい行動を上手く表現しているなと思う

 

 決して傑作ではないと思うが、自分がスクールカーストの最底辺にいたと感じる人間や、サブカルが好きな人間は見て損はないと思う

 心当たりがありまくって死にたいような、仲間が見つかって幸せのような、不思議な気分になれるから

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2009-07-2420090724

[]The Man Who Cried The Man Who Cried - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - The Man Who Cried - 拡散していけど、とりもなおさず The Man Who Cried - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 面白くない

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 ロシア生まれのユダヤ人であるフィゲレ(くりすてぃーな・りっち)は戦火により故郷を追われイギリスに移り住み「スージー」と名づけられるが、父を探すためにパリで仕事をしている最中、第二次世界大戦が勃発、ユダヤ人と外国人を排斥する旨を発表していたナチスドイツの侵攻を恐れフランスを脱出し、最終的に父が渡航したアメリカに行くことになる

 その他にもジプシーのチェイザー(じょにー・でっぷ)、フィゲレと同郷で自分は男を利用しているつもりだが実は男に利用されているローラ(けいと・ぶらんしぇっと)、平時は尊敬されている歌手だが戦争が勃発したために周囲から距離を置かれるイタリア人のダンテ(じょん・たとぅーろ)など、戦争によってそのアイデンティティの不確かさを更につきつけられる所在なさげな人たちが出てくる


 しかし、そのキャラクターを使って何をしたいのかが全然伝わってこない

 単にフィゲレとチェイザーのラブストーリーでもいいし、フィゲレとお父さんの再会を描くものであってもいいし、戦争によって姿を現すナショナリズムでもなんでもいいのだが、核となるテーマが見当たらない

 これと言ってドラマチックな出来事は起きないし、何がしたいのかがわからない



 さて、IMDbによれば

Johnny Depp asked for golden teeth to be put into his mouth to give more realism to his character.

 じょにー・でっぷは役作りのために金歯を入れた

The actors/musicians that play Cesar's family are members of the Romanian music group Taraf de Haidouks.

 チェイザーの家族を演じているのはタラフ・ドゥ・ハイドゥークス

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2009-07-2320090723

[]The White Countess The White Countess - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - The White Countess - 拡散していけど、とりもなおさず The White Countess - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 原題は主人公のジャクソン(れいふ・ふぁいんず)が開いたバーの名前

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 ジャクソンが盲目であるというのは身体的なものだけではなくて、彼の思考様式の比喩にもなっているのだろう

 バーに毎夜出没するなど一見社交的に見えるのだが、開店したバーに従業員として誘ったソフィア(なたーしゃ・りちゃーどそん)に手を出すどころか私生活の話すらしようとしないし、バーの外の世界や政治情勢にはあえて目を向けようとしていない

 それは、彼が従業員の生活に立ち入ることや政治に踏み込まないことを潔しとしているというよりは、彼が家族を失ったことによって他人と親しくなりすぎることを怖れるようになり、外交官だったがその職業に失望したことにより政治をあえて忌避するようになったという方が正しいだろう

 

 しかし、人が生きる上で他人に踏み込まなかったり、政治に関心を持たないでいるというのは難しい

 特にジャクソンのように障害を抱えていたり、好きな異性が現れたり、また戦時に生きたりする中ではなおさらだ



 この映画では、色んなことから目をそらしイノセントでいようとしたジャクソンが他人の人生に介入するという意味で再び政治的になるという展開を辿るのだが、そのやり方が下手だなと思う


 ジャクソンという人物がいかに変遷していったかというのを描くにはもうちょっと彼の過去をしっかりと描くべきだったし、ジャクソンが再び他人との係わり合いに積極的になる引き金となったマツダ(さなだひろゆき)がどういう人物であったかというのも、彼の役割の重要性から考えてもうちょっと描くべきだった

 逆にソフィアやその家族の背景なんかはばっさりと削ってもよかったのでは



 さて、IMDbによれば

The racehorse scene uses stock footage taken from Seabiscuit (2003).

 競馬のシーンは『シービスケット』のストックからの流用

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In preparation for his role, Ralph Fiennes observed a blind man's average day with help from the Royal Society for the Blind. During the shoot he would wear special glasses to simulate blindness before each take.

 れいふ・ふぁいんずは役作りのために盲人の団体の助けを得て盲人を観察し、撮影前は特別な眼鏡をかけて目の見えない状態を想定して撮影に臨んだ

The Countess' (Natasha Richardson) family included her real-life mother Vanessa Redgrave and aunt Lynn Redgrave.

 なたーしゃ・りちゃーどそんの叔母、母役をしているのはそれぞれ本物の叔母、母

This is the second film in which sisters Vanessa Redgrave and Lynn Redgrave both appear.

 ヴぁねっさ・れっどぐれーヴとりん・れっどぐれーヴの姉妹が共演するのは2回目

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2009-07-2220090722

[]American Pastime American Pastime - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - American Pastime - 拡散していけど、とりもなおさず American Pastime - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 原題の「pastime」は「娯楽、気晴らし」という意味だが、「American」が付くと野球を指すらしい

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 第二次世界大戦中に強制収容所に送られた日本人、日系人の人種差別に対する苦悩を、アメリカを象徴する野球とジャズを愛する日系人のライル・ノムラ(あーろん・よー)の目から描くという構図なのだが、ライルの恋人のケイティ(さら・どりゅー)の父親のビリー(げいりー・こーる)の話が入ってくるので中途半端だなと思う

 ただ日本人である、日系人であるという理由だけで、アメリカに生まれアメリカを愛していたとしても有無を言わさず収容所に入れられ、人種差別をされてしまうという悲しみを描くだけならばビリーの話はいらなかったと思うし、娘が人種差別の対象である日系人と付き合っているという苦悩、もしくは戦争が起こったことによって若者が徴兵されてカムバックの機会をうかがっているビリーがライルに対してライバル心を抱くということが描きたかったのだったら、もっとそういうエピソードを盛り込むべきだった

 

 露骨な人種差別を受けている日本人でも野球をしている時には公平な審判をされているというのはよかったし、なかむらまさとしとじゅでぃ・おんぐの演技も悪くない

 監督が日系人であることからしっかりと日本について描こうという意志は感じられるし、その部分は上手く描けていると思うのだが、それがこの映画を満足させる出来にしているかと言えばそうではない

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2009-07-2120090721

[]火垂るの墓 火垂るの墓 - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - 火垂るの墓 - 拡散していけど、とりもなおさず 火垂るの墓 - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

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 この映画をしっかり最初から最後まで見たのはこれが初めてだと思うのだけど、身勝手で世間知らずなお兄ちゃんが妹と心中しただけの話にしか思えないという意味では『世界の中心で愛を叫ぶ』と変わらない閉じていて独りよがりな世界だなと思うし、その独善的なところが目に付いてストーリーに没入できなかった


 「戦争のような極限状況において、人間らしさが失われていく」ということが描きたかったのだとしたら戦争が起こる前の清太の叔母を描くべきだったと思うし、清太が独りよがりな行動をしたことによって二人が死ぬことになったということを描きたかったのだったら叔母の意地悪な行動を入れる必要がなかったと思うし、清太が作物を盗んで捕まり交番に突き出され、お巡りさんの温情によって見逃されるわけだが、お巡りさんが清太の愚かさを際立たせるようなセリフを言うべきだった

 何を描きたかったにせよ全てにおいて中途半端な映画だなと思う



 さて、IMDbによれば

Produced concurrently with Tonari no Totoro (1988). Many of the animators had trouble remembering what film they were animating.

 『となりのトトロ』と並行して作られていたのでアニメーター達は混乱していた

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This is the only Ghibili theatrical feature film to not be part of the Disney-Tokuma deal

 唯一、徳間書店・ディズニーが関わっていないジブリ作品(注:Wikipediaの記述から考えて、原作小説が新潮社から出版されていたために徳間書店が新潮社に製作を譲ったと考えると筋が通るか)

火垂るの墓 (ポプラポケット文庫)
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 他のトリビアを訳すよりもhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E5%9E%82%E3%82%8B%E3%81%AE%E5%A2%93を読んでもらった方が早いかと

2009-07-2020090720

[]Blood Predator Blood Predator - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Blood Predator - 拡散していけど、とりもなおさず Blood Predator - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

ブリザード・エッジ [DVD]
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 駄作

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 ダメなところが多すぎる


 まず、演出がダメ

 「観客にこの世界が存在すると理解させるにはどういう演出が必要だろうか」と試行錯誤した跡が全然見えない

 7人の乗客を乗せた飛行機が墜落、命は助かるが偶然辿り着いた小屋には正体不明のクリーチャーがいるという話なのだが、ゴキブリを見つけてキャーキャー騒いでいるのと変わらないレベル

 7人いる主要キャラクターもそれぞれに役割分担がなされておらず、下らないことをいうキャラのセリフはもっと下らなくするべきだし、金持ちで嫌味なキャラが金持ちに見えなかったり、「インディアナ」と呼ばれる知ったかぶりばっかりするオッサンを際立たせるためにはしっかりとしたサバイバル術を知っているキャラクターが必要なはず

 パニック物だったら、中盤から次々とキャラクターが死んでいって緊迫感を増していくのが王道だと思うのだが、中盤になってもお色気シーンを入れたりと何をしたいのかがさっぱりわからない


 低予算の割には映像が綺麗だったり、BGMも音圧があったりするのだが、撮影の技術が下手だったり、音楽の方もセンスがなかったりと、どんなに機材がよくても駄作は作れるんだなと思った

 CGもやたらとチープだし、謎のクリーチャーも恐らくエイリアンを意識していると思うのだが、CGじゃない部分のクリーチャーは気持ち悪いけど可愛げがあったりして意味がわからない


 俳優もダメ

 金持ちのキャラクターの愛人みたいな女がスプレーとライターでクリーチャーを退治する役割を名乗り出るのだが、肝心の時にぼーっとした顔をしている

 恐らくは怖気づいて退治ができなかったということを表現したかったのだろうが、どう見てもぼーっとしているようにしか思えない


 ストーリーもダメ

 すばしっこいはずのクリーチャーが迫ってくるはずなのにいきなり作戦会議を始めたりとわけのわからない展開が多すぎる



 こんな駄作を作りたくなった情熱の居所が知りたい

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2009-07-1920090719

[]The Interpreter The Interpreter - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - The Interpreter - 拡散していけど、とりもなおさず The Interpreter - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 いい映画

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 「復讐の連鎖」という言葉がある


 架空のアフリカの独裁国家マトボ出身の国連職員シルヴィア・ブルーム(にこーる・きっどまん)は、兄と友人をマトボの国内事情によって殺される

 ストーリーが進んでいくにつれ、大統領のズワーニが敵対勢力を掃討するために暗殺の騒動を自作自演していたことが発覚するわけだが、そのことに気づいたシルヴィアはズワーニの殺害を決意する

 散々、シークレットサービスのトビン・ケラー(しょーん・ぺん)との対話の中では、暴力による支配を否定し、外交による努力を肯定するわけだが、兄と友人がズワーニによって殺されたことを知り、簡単に復讐する側の人間になってしまう

 ケラーも数週間前に事故で妻を失ってその事故を引き起こした浮気相手を憎んでいるし、ズワーニやその政敵達も最初は平和主義だったのに暴力に支配されている

 結局、暴力に魅了された人間はそこから逃げることが出来ないのかという問いに対して、この映画はケラーが妻の浮気相手を許すことをシルヴィアに告げたことで、シルヴィアがズワーニの殺害を止めたことによって答えを出している


 

 「復讐の連鎖」を描くには、ちょっとキャラクターの描写が浅いかなと思う

 シルヴィアがズワーニに対して抱いている気持ち、最初はマトボを改革してくれると期待していたが、両親と妹が地雷で殺されたことによって憎しみを抱くようになり、兄と友人が殺されることによって殺意を抱くまでになったというところまではストーリーの流れでわかるのだが、もうちょっと兄や他の家族との絆をうかがわせるシーンが欲しかった

 同様にケラーが妻に抱いている感情や、ズワーニなどマトボの人間が抱いている感情をうかがわせるシーンが全然足りないなと思う


 サスペンスとしても物足りない

 ズワーニの政敵の一人が冒頭で射殺され、もう一人が中盤で爆死させられ、他にズワーニを狙う勢力も出てこないから、必然的にズワーニが一連の事件の犯人であることがその時点でわかってしまうし、シルヴィアが失踪した時点でこれまた早い段階でシルヴィアがズワーニを殺そうとしていることが読める

 ストーリーは、最初はシルヴィアの視点で進みシルヴィアが付け狙われていると思うが、途中でケラーがシルヴィアの疑わしい点を次々と出してくるからシルヴィアが付け狙う側だと疑いだし、シルヴィアがテロなどに巻き込まれることによって混沌としてくる

 もうちょっとこういう展開のアップダウンを工夫して見せて欲しかったなと思う



 そういえば、1つわからなかったのが、ズワーニの部下が自作自演の事件を指揮していたのだが、シルヴィアが彼の顔を見て取り乱していたところ

 シルヴィアはマトボの出身だし、その男を知っていても不思議ではないのだが、そのことに関する説明がストーリーの中でないように思えたので


 まぁ、全体的に説明が少ないというか、描写を削ぎ落としていこうという姿勢が見えたのだが、それが物足りなさの一因にもなっていると思う



 さて、IMDbによれば

This is the first film ever to be shot inside the United Nations Headquarters - locations include the General Assembly and the Security Council, as well as regular corridors and hallways of the complex. The cast and crew filmed on weekends in order not to disrupt the regular work week of the Organization.

 初めて国連総会、安保理なども含めた国連内部の撮影が許された映画で、通常の業務に差し支えのないように週末に撮影が行われた

Director Sydney Pollack met with Kofi Annan to try to get permission to film inside the U.N. in New York.

 監督はアナン事務総長に撮影の許可を得るために国連で面会をした

Nicole Kidman signed on without having read any script.

 にこーる・きっどまんは脚本を読まずに出演のサインをした

Sydney Pollack approached Naomi Watts about the lead role of Sylvia Broome, but she declined, knowing that her good friend Nicole Kidman wanted to play that part.

 監督はなおみ・わっつにシルヴィア役をオファーしたが、なおみ・わっつは仲の良いにこーる・きっどまんが出演したがっていたのを知っていたので断った

The song Toban plays on the jukebox when he calls his answering machine is Lyle Lovett's "If I Had a Boat".

 ケラーがジュークボックスで鳴らしているのはライル・ラベットの「If I Had a Boat」

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Matobo is the name of a National Park in Zimbabwe.

 「マトボ」はジンバブエの国立公園の名前

The fictional language of Ku is made up of two different African Languages.

 存在しないクー族の言葉は二つのアフリカの言葉から作られている

The movie is banned in Zimbabwe, the country on which the fictional D. R. of Matobo was based on.

 マトボのモデルになったジンバブエでは発禁処分になった

The last film feature directed by Sydney Pollack.

 しどにー・ぽらっくが監督をした最後の映画になった

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2009-07-1820090718

[]The Flock The Flock - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - The Flock - 拡散していけど、とりもなおさず The Flock - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 原題は「群れ」(劇中で出てくるセリフで、エロル(りちゃーど・ぎあ)が性犯罪登録者たちを指していった言葉)という意味

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 「引退間際の人間と新人の人間の組み合わせ」、「犯罪者を追うはずの人間が犯罪を行ってしまう」、「自警団的な意識が暴走して犯罪につながってしまう」など、これでもかと王道のパターンを詰め込んでいるのだが、何か面白くない

 

 何でかなと思ったのだけど、まずは具体的なエピソードや描写が少ないまま仄めかしに終止しているからだろう

 エロルが退職ではなくてクビになった理由は、ストーリーが進むにつれ、これまでも性犯罪者に対して個人的な制裁を加えていたからだということがわかってくるが、もうちょっと過去の具体的なエピソードを入れるべきだと思ったし、アリスン(くれあ・でいんず)が監察官になった理由が親から虐待を受けたからとエロルが見抜くわけだが、それも同様にアリスンの過去を描くエピソードが欲しかったなと思う


 それに、映画全体が性犯罪者は再犯をするものだというプロパガンダ映画になってしまっているところもちょっと問題かなと思う

 ちょっと検索してみたが、性犯罪者の再犯率が他の犯罪者と比べて高いかどうかは議論が分かれるみたいなので脇に置いておくとしても、そのテーマのために犯人や容疑者がストーリーの序盤で出てくるキャラクターに限定されてしまってストーリーに意外性が全くないし、エロルの捜査もあまりにも視野が狭いものになってしまっている

 わかりやすく言えば性犯罪者たちを疑うということしかせずに、他の可能性に目もくれないというエロルの姿勢はあまりにも視野が狭いもので、あたかも全ての性犯罪者は疑われてしかるべきということを言わんがためにこの映画を作っているのではないかと思わされるということ


 あとは、中心となるキャラクターがエロルとアリスンのみなのでストーリーがすっきりしていると言えばそうなのだが、ちょっと物足りない

 もうちょっと二人に食って掛かってくる性犯罪者とか、捜査を手助けしてくれる警察の人間とか、ベタなストーリーなんだからベタなキャラクターがいてもよかったのではないかと思う

 

 演出とかはやたら思わせぶりなのに、結局中身がない映画だなと思う

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2009-07-1720090717

[]8 1/2 8 1/2 - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - 8 1/2 - 拡散していけど、とりもなおさず 8 1/2 - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 原題はIMDbによれば

The title refers to the number of movies Federico Fellini had directed up until that point - six features, two short (1/2) films and "half a picture" ("Luci del Varieta'" his first, co-directed with Alberto Lattuada), for a total of 7 1/2. So this one is number 8 1/2.(=フェデリコ・フェリーニがその時点まで監督した6つの長編、2つの短編、1つの共作を合わせて(短編と共作をそれぞれ2分の1作とカウントして)本作が8と2分の1作目になることを示している)

 とのこと

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 映画監督のグイド(まるちぇろ・ますとろやんに)は映画の製作をしなければならないが、アイデアが出てこない

 制作会社からははっぱをかけられ、女優達からは役を催促され、脚本家からはアイデアを提案されるが、それでも何も思い浮かばない

 周囲の女性達は騒ぎ、とりとめもなく過去を思い出して集中できず、ますます映画製作に集中できない


 その監督の混乱を象徴するかのようにかなりとっ散らかった作りになっており、恐らくは監督自身の経験も反映されていると思うのだが、ストーリーがないので面白くない

 別に実験的なことをしても構わないと思うのだが、表現者の方法論というものは使われるべきものであって、語られても至極退屈だなとしか思わない



 さて、IMDbによれば

The film's working title was "La Bella Confusione", i.e. "The Beautiful Confusion".

 仮題は「La Bella Confusione」(=美しい混乱)だった

Was the basis for the Broadway Musical "Nine", which won the Tony for best musical in 1982 and for best musical revival in 2003.

 トニー賞を取ったブロードウェイミュージカル『ナイン』の元となった

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2009-07-1620090716

[]うたかた うたかた - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - うたかた - 拡散していけど、とりもなおさず うたかた - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 駄作

 B級アイドルが主演を務める全5話のオムニバス形式なのだが、どれもレベルが低い

 謎の少女がシャボン玉をしながら歩くと不思議なことが起こるという「世にも奇妙な~」をかなり劣化させた内容なのだが、演出や音楽が全体的に古臭くて見れたものではなくて、久々に途中で見るのを止めようかと思った

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第一話「忘れな草」

 母親や祖父が妹をひいきするために疎ましく思っている姉が、とある部屋に妹を連れて行ったところ妹が部屋から出て来れなくなってしまい母親や祖父の記憶からも消えてしまうというお話

 その不思議な部屋の説明も何もないし、ストーリーも中途半端に終わってしまうので全くわけがわからない

 祖父と妹がボールで遊び、母と妹はアルプス一万尺っぽい遊びで遊びと、時代がかった演出も意味不明

第二話「翳る陽の少女」

 いじめを受ける仲の良い同級生が実は人魚の肉を食べて年を取らない女の子でしたというお話

 これも友達が人魚であるという伏線みたいなものが全くない

 人間の女の子が教室に入った時に海のような映像になったり、年を取らない女の子が魚を食べるのを嫌がったりと、後から思えばそれなりに強引な伏線を引いてはいるのだが、人魚を食べた女の子の伝説がセリフと文字のみで語られる手抜きがあったり、わけのわからない日食が出てきたりと何がしたいのかがよくわからない

 そんなことをするのなら、もうちょっとわかりやすいエピソードを考えればいいのにと思うが

第三話「撥恋少女」

 ファッションに興味のない女の子が憧れの先輩に好かれようと一念発起、偶然入った化粧品店でメイクをしてもらったのだが、その化粧品はウォータープルーフだけではなく近づこうとする男をバリアのように弾いてしまう「恋愛プルーフ」だったというお話

 ストーリーも、女の子達のファッションもセリフも何もかも80年代を髣髴とさせる酷さなのだが、主役の女の子の憧れの男の子や、その知り合いのリアクションも80年代っぽくて、そのリアクションのあまりの酷さに笑えた

 

 カラオケボックスの店員を大写しにする意味もよくわからないし、最近の子は「どのメニューでもじゃんじゃん食べてよ」とか言わないでしょ

 謎の化粧品を売っている化粧品店も明らかにそこらへんにある化粧品店だし、おかしい出来事が起こっているという記号みたいな演出が出来ないのかと思う

 まぁ、出来ないからこんなに駄作なんだろうけど

第四話「満つ雫」

 ある日外出の途中でみかけた見慣れない店で売っていた水を飲むと何でも願いが叶うようになったというストーリー

 自分勝手な願いが叶えられていくと他人に迷惑がかかってしまうというテーマは『時をかける少女』を彷彿とさせるが、この5つの話の中で渋々一番ストーリーがしっかりしているものを選べと言われたらこれを選ぶ

 『時をかける少女』と同様に、普通の女の子だからそんなに大それたことを願わないのだけど、もうちょっと変わったことを願った方がストーリーに幅が出たと思うし、願い事が次々に叶っていく特別な感じをもうちょっと演出で出せなかったかなと思う

第五話「震える月」

 母の遺品を整理していたら、母に宛てられた恋文を見つけ、そこには十数年後に再会しようとの記述があった

 その期日が手紙を見つけた3日後であることを発見した少女は再会の場所を見つけるために探索、その探索のために現地の喫茶店で偶然知り合った青年とその場所を見つけるが、その青年と少女は父親が同一人物であるようだというストーリー

 5つの話の中で、一番主役の子が演技が出来ているなという感じなのだが、母宛の恋文の謎解きのヒントが少なすぎたり、二人の父親が同一人物であるという伏線の敷き方も微妙だったりと他の4つの話同様にレベルは低い

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2009-07-1520090715

[]きみの友だち きみの友だち - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - きみの友だち - 拡散していけど、とりもなおさず きみの友だち - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 題名は原作小説から

きみの友だち
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 以下ネタバレ含む




 人間関係には嫉妬心など負の側面もあるが、そのせいで人間関係を築くのが怖くなることもある


 フリーのジャーナリストである中原(ふくしせいじ)は取材で訪れたフリースクールで足に障害を抱えた恵美(いしばしあんな)と出会う

 人嫌いのように思える恵美に興味を持った中原は、恵美の思い出を聞いていくことになる

 心臓が弱く恵美が空の写真を撮るきっかけとなった由香(きたうらあい)、仲の良かった友人に彼氏が出来たために体の調子が悪くなったハナ(よしたかゆりこ)、恵美の弟の文彦の同級生、恵美の弟のサッカー部の先輩にまつわるエピソードは、それぞれ嫉妬心のために意図せずに他者を傷つけたり他者に傷つけられてしまった話であるが、そのせいで恵美が人間関係というものが怖くなり、他人を遠ざけるようになっただろうことは容易に想像できる

 だが、由香が死んだ後も恵美は「ふわふわ雲」を撮り続けているし、由香を撮影することもなかったことから、由香と出会ったことを後悔もしていないし、かといって単なる思い出にする気もなく、大切な経験として受け止めているのだろうし、中原と交際していることからも人間関係に関して恐怖は抱いているが、そのことによって人間関係を築くのを諦めるのは馬鹿らしいとも思っているだろう



 テーマはベタとは言え、決して悪くはないと思うが、演出がてんでダメだなと思う


 ストーリーは中原と恵美が間に挟まれ、その会話で出てきたキーワードや写真が恵美の過去とリンクされる形で進行していくのだが、中原と恵美との関係の進展が簡潔なセリフで描かれるだけなので、時間の経過や二人の関係の進展などが実感として得られない

 もうちょっと直接的に中原が恵美に交際を申し込むシーンや、恵美が中原に対して感情が傾いていくようなエピソードを入れてもよかったと思う


 恵美の過去の回想についても、それぞれのエピソードをつなぐ意図が見えないので、映画としてどうなんだろうなと思う

 主に恵美の通う高校での出来事が主体なのだが、恵美と由香以外にもそれぞれのエピソードに一貫して出てくるキャラクターを出すとか、校庭に下りる石段に常に恵美が座っているというだけでも大分変わってくると思うのだが


 セリフとキャラクターがつながっていないのも気になる

 中原を演じているふくしせいじを見ていると、中原は優しいキャラクターだと思うのだが、その割りに障害を抱えている恵美に対して配慮に欠けた発言をしたりしている

 もうちょっとキャラクターに応じたセリフにするとか、キャラクターのことを考えて演技を指導するなどした方がいいんじゃないか


 もうちょっと恵美が中原との出会いによって変わっていくなどベタな演出も欲しかったし、全体的に物足りないなと思う

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2009-07-1420090714

[]Miracle at St. Anna Miracle at St. Anna - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Miracle at St. Anna - 拡散していけど、とりもなおさず Miracle at St. Anna - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

(2010年11月18日DVDの情報を追記)

セントアンナの奇跡 プレミアム・エディション [DVD]
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 あまり面白くない

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 戦争というものは、人の愛国心、自尊心、人間性や本性といったものを暴き、試そうとする


 1983年のニューヨークの郵便局で、定年間際の郵便局員であるヘクター・ネグロンが突如としてロドルフォという客を射殺する事件が起こる

 へクターは、かつて黒人のみで構成された部隊「バッファロー・ソルジャー」に所属し第二次世界大戦を戦ったのだが、ナチスなどの帝国主義に対抗する勢力であるはずのパルチザンに所属していたロドルフォが、へクターたちが匿われていた村の存在を密告し、へクター以外の部隊員や村人達が皆殺しにされてしまう

 約40年ぶりにロドルフォに遭遇してしまったヘクターはそれを思い出し射殺してしまったわけだ


 ヘクターたちの部隊はアメリカを愛していたはずなのだが、単に黒人であるという理由から同じアメリカ人であっても白人からは差別される

 しかし、イタリアの市民達はヘクターたちを黒人だからといって差別をせず、イタリアを心地やすい場所だと思い、自分達の愛国心とは一体何かと疑問に思ってしまう


 また、「何故、神は殺戮を許すのか」といった信仰心への問いや、ナチスにいながらその行動に疑問を持つ将校など、戦争によって揺り動かされる人間性への問いがこれでもかと描かれている



 だが、エピソードが多すぎて冗長になっている感は否めないし、人種差別とそれによって生じる愛国心への疑問だけに焦点を当てた方がストーリーがすっきりしたと思う

 エピソードそれぞれに意味があるし、描こうとしたものを全て詰め込もうとしたのだと思うのだが、言いたいことを全部言えば観客に伝わるというものではない

 自分が思っているものを一部だけ言っても、やり方によっては言いたいことは伝わるものだと思う



 銃撃シーンなんかは凄くしっかりと作られていて、それによって上手く人の痛みが伝わる構造にはなっているなと思う

 特に教会での虐殺シーンは圧巻だった



 さて、IMDbによれば

Wesley Snipes was originally cast in the film, but was forced to drop out due to pending tax-evasion charges.

Naomi Campbell was originally cast in the film, but had to drop out due to scheduling conflicts.

Samuel L. Jackson turn down the offer to play as Corporal Hector Negron to work on Lakeview Terrace (2008).

 うぇずりー・すないぷす、なおみ・きゃんべる、さみゅえる・L・じゃくそんが出演の候補に挙がった

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2009-07-1320090713

[]Moon Over Parador Moon Over Parador - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Moon Over Parador - 拡散していけど、とりもなおさず Moon Over Parador - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

 いい映画

 原題の「Parador」は作中に出てくる架空の中南米の国

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 「人は誰も嘘をつく」という言葉があるが、その嘘を嘘と指摘しない優しさも人は持っている


 俳優のジャック・ノア(りちゃーど・どれいふぁす)は映画のロケでパラドールを訪れるが、その最中にパラドールの独裁者であるアルフォンゾ(どれいふぁすの二役)が心臓麻痺で死亡、直前にアルフォンゾやお付のロベルト(らうる・じゅりあ)にアルフォンゾの物真似を披露していたジャックに影武者の白羽の矢が立ちアルフォンゾを演じることになる、という既視感がないではないストーリー

 しかし、周囲の人たちはジャックが演じるアルフォンゾが偽者であることに気づいている姿は、上に書いたように嘘を嘘と指摘しない人生のあり様を思わせて興味深いし、演技が上手くないジャックをりちゃーど・どれいふぁすが上手く演じていて面白いなと思う

 「人生は舞台のようである」というところではなく、もう一歩踏み込んで、優しい観客も小道具も含めて人生という舞台は成立しているのだということを描こうとしているところがいい


 

 ただ、ちょっと物足りないかなとは思う


 お飾りであったはずのジャックが善政をしてパラドールが変わっていく様はもうちょっと大袈裟なエピソードが欲しかったなと思うし、彼が善政をしようと奮闘していくきっかけみたいなエピソードも欲しかった



 さて、IMDbによれば

Ralph, the Jonathan Winters' character, tells a long story concerning an English pirate who founded the country of Parador, to explain why Alphonse Simms has an Anglo-Saxon surname. The real reason is that the film was shot in Brazil, and director Paul Mazursky needed a shot of a crowd of Brazilian extras chanting the dictator's name. When the crowd is calling out "Simms! Simms!", they are actually chanting "Sim! Sim!". "Sim" is "yes" in Portuguese, the language of Brazil.

 劇中では何故アルフォンゾの苗字がアングロサクソンに由来するものであるかを説明するために海賊の話を出しているが、実際は監督が撮影したブラジルで観衆がイエスという意味のポルトガル語の「Sim」という掛け声をしていたためにその苗字になった

During a scene where Jack has to address the crowd as the Paradorian President, he ad-libs his lines and uses the text for the song "The Impossible Dream" from ‘Man of La Mancha’. Only Roberto catches on, a reference to Raul Julia's leading role (Don Quixote) in the Broadway version of ‘Man of La Mancha’

 ジャックが演説で「ラマンチャの男」に出てくる歌の歌詞を引用するが、らうる・じゅりあはブロードウェイ版の「ラマンチャの男」で主役をしたことがある

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2009-07-1220090712

[]A2 A2 - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - A2 - 拡散していけど、とりもなおさず A2 - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 面白いかそうではないかという評価基準では量れないが、非常に考えさせられるところが多い映画

 タイトルは前作が『A』(注:検索してもそれらしき記述が出てこないのだが、確か当時オウム真理教の副広報部長であった荒木氏に密着していたことからイニシャルを取ったのだと思うが)であったことから(本作では荒木氏がメインになっているわけではないが)

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 このドキュメンタリーの意図というのはWikipediaの監督の項目の表現を借りれば「常識とされる事項について個々が疑ってみるべき」ということだろう

 つまり、オウム真理教が一連の事件を起こして以降、信者が居住していたり転居してきた土地で現地の住民が移転していくように活動を行ってきたわけだが、それらの人々が教団のことを理解しようともせず、対話しようともせずに、集団ヒステリーのように信者を監視し、デモ活動をして排斥活動を行っている様を淡々と描いている

 オウム真理教の信者の話を聞き、信者の住んでいる建物の中から住民達を撮影した映像を見ると、信者達が冷静に受け止めている一方で、住民達の方が騒々しかったり、狂気じみたりしているように思える

 もちろん、意図的にそういう編集をしているというのも大きいのだが、住民達が教団のどこが問題なのかを理解していないまま排斥しようとしている姿が恐ろしく思えるのも事実だ

 とある住民の集会で、監督が参加者に対してオウム真理教のどこが悪いのかを理詰めで質問していくと答えられなくなって逃げていく様が象徴的なのだが、恐らく全国でオウム真理教の信者達を排斥してきた人たちに対して同じ質問をしても明確に回答できる人は少ないだろう


 これはどういった現象かというと、日本的なムラ社会の閉鎖性が、オウム真理教というわかりやすい外敵が現れたことによって顕現してしまったせいなのだろうと思う

 ムラ社会においては、どんな存在でもそのムラ社会にそぐわない人間、存在は排除される

 とある教団の住居で信者が語ったように、監視の施設は単に地元の住民の寄り合いの場所になってしまっていて、オウム真理教という存在によって、そこの住民の間で希薄になっていた連帯感というものが幸か不幸か濃密なものになっていった

 その連帯感というものは自分が村八分になることへの恐怖感の裏返しであろうが、その恐怖がわかりやすい外敵が現れたことによって逆説的に解消されたのではなかろうか

 「この土地から出て行け」と叫ぶことによって、自分がこの土地にいてもいいという安心感を手に入れたかったのではなかろうか

 その安心感を手に入れるためには、オウム真理教を理解していないことの方が都合がいいし、なりふり構わずそれを手に入れようとしたために、冷静に見れば狂気じみたように思えるぐらいになったのではないか



 しかし、上記のような考えとは別に、オウム真理教の信者達もちょっと現実をしっかりと受け止めていないなという部分もある


 松本サリン事件の被害者の河野さんに面会に行った時が象徴的だが、自分達が何故排斥されているかということをしっかりと総括できていない

 河野さんはあえて感情的にならずに、オウム真理教の今後を考えて河野さんに面会しに来たであろう幹部たちがメディアの前で謝罪するというポーズを取るであろうことを想像していて、その謝罪が本心からのものではなくても構わなくて、それが単なる儀式的なものでも受け入れようとしているのに、それをへらへらしてお茶を濁してしまう

 世間から排除されているという感覚は持っているものの、問題がどこにあるのか考えようともしていないように思えるし、教団が破産している時の会見で被害者に謝罪するよりも信者の生活が苦しくなることを考えているところなんかはどうかなと思った



 ただ、自分も含めて、オウム真理教という教団の問題点、彼ら(の一部)が起こしてしまった事件のことを日本人全体がしっかりと総括できたのかなという疑問は残る

 一番納得がいったのは右翼の人たちの主張だったりしたけど、ただひたすらに排斥したりするのではなく、対話していくことが必要なんだろうになとは思う

 理想的なのは教義の近いどこかの宗教団体が受け皿になってくれればいいんだろうけど



 あ、そういえば、メディアの偏向報道と、警察の意図を持った発表や捜査といった問題も取り上げていてそれはそれで面白いなと思っているけど、この映画だって意図を持っているというか、はっきりと言うとオウム寄りには描いているわけで

 映画とメディアではちょっと性格が違うかもしれないけど、全く意図を持たないメディアというのは不可能に近いんではないかなと思う

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2009-07-1120090711

[]放送禁止 劇場版 ~密着68日 復讐執行人 放送禁止 劇場版 ~密着68日 復讐執行人 - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - 放送禁止 劇場版 ~密着68日 復讐執行人 - 拡散していけど、とりもなおさず 放送禁止 劇場版 ~密着68日 復讐執行人 - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 以下ネタバレ含む(解説に関してはhttp://d.hatena.ne.jp/eichi44/20080918/p1が詳しい)




 一応解説しておくと、フジテレビの深夜に放送されたモキュメンタリーの劇場版で、ストーリーだけ追っていくと非常にシンプルなものだが随所に仕掛けがありその解読が面白いという主旨のもの

 そういう細かい仕掛けがどこに隠されているのかを探しながら見るということ自体は楽しいし、見終わって解説をしているブログなどを色々見てみたのだが自分が気づけなかった部分が山ほど出てきて、この映画を見終わっても楽しみが待っているという点ではよく出来た映画だなと思う

 しかし、ストーリーがシンプルなので自分としてはそこまで評価できないと思うし、深夜ドラマというフォーマットが最適な作品なんだなと改めて思った

 別にレベルが低いから映画にするまでもないということではなくて、深夜でゲリラ的にやって、見ているほうが何がなんだかわからずに終わっていくっていう方が作品の主旨として合っているんではないかなと思う



 まぁ、ネタの解説に関しては上にリンクしたブログでほとんど提示されているのでそれ以外の重箱の隅を突っつく感じの疑問を


 一つは、12年前にいじめを受けた神野留麻が焼死体として発見されたことになっていて、実はそれはジャーナリストの古茂田俊作によっていじめのスケープゴートにされた江口来実の死体で神野留麻は生き延びていたということになっているのだけど、歯形を照合したら焼死体が江口来実だということがすぐにわかるんじゃないかなと思う

 焼死体が神野留麻に誤解されたということは、死体は誰だか判別できないぐらいに焦げてしまっていたのだろうから、歯形の照合ぐらいやると思うのだが


 もう一つはシエロという組織

 神野光留が何故ノラムの言うことを聞き続けるのかもよくわからないのだが、ネットで募集した割りにみんなシエロに献身的なところがよくわからない

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2009-07-1020090710

[]Redemption: The Stan Tookie Williams Story Redemption: The Stan Tookie Williams Story - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Redemption: The Stan Tookie Williams Story - 拡散していけど、とりもなおさず Redemption: The Stan Tookie Williams Story - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 以下ネタバレ含む




 「クリップス」というギャングの元ボスで死刑囚であるスタン・トゥッキー・ウィリアムズ(じぇいみー・ふぉっくす)が非暴力に目覚め、クリップスについて取材しようとしてきた女性記者のバーバラ(りん・うぃっとふぃーるど)に非暴力を訴える児童書の刊行を依頼し、それが全世界に影響を及ぼし、スタンがノーベル平和賞や文学賞にノミネートされるまでになるという実話を基にしたストーリー

 しかし、スタンが何故ギャングという暴力を原理にした集団のトップであったのに、暴力について疑問を持ち正反対のスタンスを持つようになったのかがセリフで断片的に語られはするもののエピソードなどで語られないし、全体的にエピソードが少ないなと思う

 ノーベル賞にノミネートされるぐらい全世界に影響を及ぼしたはずなのにほぼスタンとバーバラしか出てこないし、あまりにスケールが小さい

 演出も断片的で、作ってる方は見ている方はこのくらいの描写で推測できるだろうと勝手に思っているのかもしれないが、全くシーン間のつなぎ方が下手なので、その間に起きたことを類推できない


 スタンが刑務所内で暴行を働いたり、バーバラの息子が非行に走りかけたりと面白くなりそうな要素があるのに、それらを小出しにしながらも中途半端なままで終わってしまう

 この作品で何がやりたかったのかさっぱり理解できない

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2009-07-0920090709

[]イエスタデイズ イエスタデイズ - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - イエスタデイズ - 拡散していけど、とりもなおさず イエスタデイズ - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 いいところはあるが、あまり面白くない

 以下ネタバレ含む




 何というか、この映画をこういう風にしたいというビジョンというか気合みたいなものが感じられない

 柳田聡史(つかもとたかし)が死期の迫った父の昭彦(くにむらじゅん)に昔交際していた真山澪という女性を探して欲しいと頼まれその女性を探すうちに、非情だと思っていた父親が実は人情味溢れる人間だったということに気づき、また何故か父と真山澪が交際していた当時に聡史がタイムスリップしてしまい、澪に惚れてしまう

 この「父親が人情味溢れる人間であることがわかる」というのと「聡史が澪に惚れてしまう」というのがどちらもストーリーの柱にならずに中途半端な感じなのでどちらかに焦点を絞った方がいいと思った

 前者は藤井哲男(かんにんぐたけやま)が退職してしまった理由なんかをもうちょっと掘り下げた方がいいなと思ったし、後者は聡史が澪に惚れてしまった瞬間がいかんせんどこかはっきりしない

 

 その他にも、昭彦に澪の妊娠を伝えた女性の娘である槙村茜音(なかべっぷあおい)というキャラクターの立ち位置も中途半端だし、茜音の母や澪の娘などが何故登場しなかったのかがよくわからない



 全体的に光が溢れる映像というか、いわいしゅんじやゆきさだいさおを連想させるような映像なのだが、どうせタイムスリップという材料を使うのなら、タイムスリップした時にそういう映像にして、そうでない時は光を抑えた感じにするなどの描きわけをして欲しかったし、手持ちカメラ風のブレた映像も多用しているのだが、それがリアルさを演出するというよりは最初に書いたようにビジョンがないために何となくそういう映像になってしまったような感じしか受けない


 澪が昭彦が好きだからといってメロンソーダが好きになったところとか、年を取っても澪がメロンソーダが好きなままでいるところとか、たまにいいエピソードが出てくるのだが、作りも構成も冗長でだらだらとしている映画

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2009-07-0820090708

[]Big Big - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Big - 拡散していけど、とりもなおさず Big - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 以下ネタバレ含む




 遊園地で身長制限のために乗り物に乗れなかったりしたために「大きくなりたい」と願ったジョシュ(でヴぃっど・もすこー)が遊園地にあった不思議な機械にその願いを言ったところその夢が実現してしまい、体が大きくなってしまう

 それによってドタバタを引き起こしてしまう単純なコメディかと思っていたらちょっと違って肩透かしを食らってしまった


 人は誰でも大人になる

 ジョシュのようにある日突然大きくなるわけではなく段階を踏んでいくわけだが、それでもその最中で戸惑いを覚える

 仕事を優先して友人達と過ごす時間を犠牲にしたり、恋愛に思い悩まされたりする

 そういう成長の過程での葛藤をジョシュが物理的に体が大きくなるが精神的にそれがついてこないという状況で描こうとしている



 そういうテーマは決して悪くないと思うのだが、演出がボロボロ


 前半に内面は子供であるジョシュが引き起こすドタバタ、後半に社会生活を送る中で精神的にも大人になっていくジョシュを描くという風に描き分けてストーリーに緩急をつけるべきだと思うのだが全体的に思いついた順にエピソードを並べたかのようにだらだらとした展開が続く


 とむ・はんくすの演技も内面が子供であるように見えないし、打算的に恋愛をするスーザン(えりざべす・ぱーきんす)が子供のようなジョシュに出会ったことによって変わっていくというのも上手く描けているようには思えない

 ジョシュが子供の時に少女に恋をしているのだが、それが大人になったときに全く出てこないし、映画としてのまとまりに欠ける



 さて、IMDbによれば

Tom Hanks was the first choice to play Josh Baskin but was unavailable due to scheduling conflicts with the films Dragnet (1987) and Punchline (1988). Robert De Niro was then offered the lead role, and was rejected because his salary demand ($6 million) was too high. Tom Hanks then became available and accepted the lead role for $2 million. David Moscow was originally cast not as young Josh, but as Billy, since he didn't look like Robert De Niro. When Tom Hanks was given the role, David Moscow was recast as young Josh.

 とむ・はんくすがジョシュ役の候補であったが、他の映画とスケジュールがかぶったためにろばーと・で・にーろにその話が行ったがギャラが高すぎるために結局とむ・はんくすになった

David Moscow wore colored contact lenses to match the eye color of Tom Hanks.

 でヴぃっど・もすこーはとむ・はんくすの瞳の色に合わせてカラコンをはめている

The script was first developed in 1984.

 脚本の構想は1984年からあった

To give star Tom Hanks an idea of how a 12 year-old would behave, director Penny Marshall filmed each "grown-up" scene with David Moscow (Young Josh) playing Tom Hanks's part, who then copied David Moscow's behavior.

 とむ・はんくすのために、監督はでヴぃっど・もすこーにまず演じさせて、その後にとむ・はんくすにその動きを真似させた

Penny Marshall became the first female director to ever direct a movie that grossed more than $100 million at the box office with this movie.

 ぺにー・まーしゃるは本作によって、初めて1億ドルを稼いだ女性監督になった

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2009-07-0720090707

[]Curly Sue Curly Sue - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Curly Sue - 拡散していけど、とりもなおさず Curly Sue - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 あまり面白くない

 以下ネタバレ含む




 当たり屋として偶然グレイ・エリソン(けりー・りんち)に出会ったホームレスの二人組、ビル・ダンサー(じぇーむず・べるーし)とカーリー・スー(ありそん・ぽーたー)が『プリティ・ウーマン』みたいに洗練されていくストーリーと途中まで思っていたのだが、決してそうではなく、「世の中にはお金よりも重要なことがある」というベタなテーマを(本作は91年発表であるが)80年代みたいな演出で描いている映画

 

 まぁ、別にテーマがベタでも構わないのだが、グレイが拝金主義の塊のような弁護士をしていたが、ビルとカーリー・スーに出会うことによって金やキャリアよりも愛情などが大切であると気づくという展開を効果的に描くには、もうちょっとグレイが自身の拝金主義的な生き方や付き合っている男の行動に対して疑問を抱いているという描写が必要だったと思うし、ビルとカーリー・スーの出会いに運命のようなものを感じている描写が欲しかった



 そういえば、途中でグレイが、カーリー・スーの将来を案じてビルと引き離そうとするのだけど

 この作品の中ではホームレスの子供を金持ちの弁護士が救うというわかりやすい構図になっているのだけど、これが中流階級の人間に対して金持ちが手を差し伸べるという構図だったらどうだったのだろうと考えた


 こと教育の面で見たら、親や保護者に当たる存在の金銭的な面というのが大いに影響を与えるところはあるが、情緒的な面からいって親や保護者に当たる存在から引き離すことは本当に真っ当なことなのかなと

 そういうことはこの映画のテーマではないし、そこらへんはさらっと流されているけど



 さて、IMDbによれば

Steve Carell's feature film debut.

 すてぃーぶ・かれるの映画デビュー作(注:どこに出ていたか全然覚えていないが、「Tesio」という役)

Bill Murray turned down the role Bill Dancer because he was busy with other projects.

 びる・まーれいは忙しいという理由でビル役を断った

As of 2009 this is the last film directed by John Hughes.

 2009年現在、じょん・ひゅーずの最後の監督作となっている

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2009-07-0620090706

[]Voces inocentes Voces inocentes - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Voces inocentes - 拡散していけど、とりもなおさず Voces inocentes - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 いい映画

 原題はスペイン語で、邦題と同じ意味

 以下ネタバレ含む




 子供の、良い言葉で言えば純真無垢さ、悪い言葉で言えば無知さを上手く使って戦争というものを描いているなと思う


 11歳ののチャバ(かるろす・ぱでぃじゃ)には政治なんかわからなくて、それよりも12歳で徴兵されたりすることや、徴兵する軍隊の横暴さが気に食わなかったりする

 また、おじから貰った反体制のラジオ放送を聞いて目を付けられて、それを庇おうとした神父に迷惑をかけてしまったり、ゲリラの知人から軍隊が徴兵をしに来ることを告げられて、後先も考えずに近所にそのことを知らせて、逆に軍隊を逆上させたりする

 そんなチャバではあるが、終盤では自分を殺そうとした軍隊への恐怖心から銃を取って引き金を引きかけてしまう

 これは正に、少年が大人になるという過程、まっさらの状態から経験を経て政治的な姿勢を変えていくということを表しているのだろうと思う

 結局、チャバは引き金を引かず、大人になることは留保されたままストーリーは終わるのだが、色んな国で内戦が延々と続いてしまうのが理解できる気がする



 チャバたちが住宅地で繰り返される銃撃戦に恐怖しながらも慣れてしまっているのはあまりに悲しい描写だし、住宅地で銃撃戦が繰り広げられるというのも映画で初めて見たような気がするぐらい考えさせられるものがあるのだが、そんな中でチャバが怖がる弟を励ますために口紅を顔に塗りたくって笑わせる健気さを見せるところとか、内戦の中でもたくましく生きる子供達をよく描いているなと思う

 

 一方で、ちょっとエピソードが物足りないなとも思う

 絶対的な悪役がいなかったり、チャバたちのお母さんが美人過ぎて生活臭がなかったり、もうちょっと煮詰めた方がいいかなという部分も多かった

 そこらへんをしっかりと煮詰めていれば、本当に傑作になったのになと思う

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2009-07-0520090705

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 あまり面白くない

 原題はフランス語で、「行け、生きよ、生まれ変われ」という意味らしい

 以下ネタバレ含む




 親はこの将来のことを思い、子は親のことを思う


 1984年のエチオピアでは混乱が生じており、ユダヤ教徒であればイスラエルに行くことができる「モーセ作戦」のことを知ったある母親はキリスト教徒であることを隠し息子をユダヤ教徒と偽らせてイスラエルに行かせる

 息子は「シュロモ」と名づけられ里親に育てられるが、なかなか新しい環境に馴染めず、嘘をついて入国したことに対しても罪悪感を抱いて過ごしている上に、その嘘が更に差別を生み出していることにも苦しむ

 また、実母のことを愛しているが、その母が自分を祖国から追い出してしまったことにも折り合いが付けられない


 ここらへんの親子の思いのすれ違いっていうのがシュロモの実母が出てこないので伝わりにくいし、シュロモの里親の方も親と子の間で思いがすれ違っていることをうかがわせる場面もあるのだが、その描写がかなり中途半端

 その他にも色々とエピソードが詰め込まれすぎているので何がやりたいのかがよくわからない

 もうちょっとメインとなるキャラクターを絞って、シュロモが祖国を思うエピソードに絞って、セリフも過度に省略されているのでそこらへんもしっかりと盛り込んで欲しかったなと思う

 少年期から青年期にかけたアイデンティティの不確かさから来る精神の不安定さと、自分の出自を偽っているシュロモが自分のアイデンティティとは何なのかを問うことが上手いこと重なるなど、テーマの設定は面白いと思うのだが、演出がまるで下手だなと思う

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2009-07-0420090704

[]Men of Honor Men of Honor - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Men of Honor - 拡散していけど、とりもなおさず Men of Honor - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

ザ・ダイバー(特別編) [DVD]
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 いい映画

 以下ネタバレ含む




 当たり前のことだが、人は他人に対して意見をする

 その人のことを慮ったり、上司に命令されたり、自分が有利になるためだったり、自分の自尊心を傷つけないために意見をしたりするのだが、信念を持った相手に意見を言っても意味を為さないことがある


 小作農だった父親に「自分みたいになるな」と言われ軍隊に入ったカール・ブラシア(きゅーば・ぐっでぃんぐ・Jr)は最初こそコックをしていたが、規則を曲げて遊泳をしたところ兵士を救出する任務を命じられ、その後アメリカ海軍初の黒人ダイバーとなる

 「黒人だからダイバーになれない」「学校にロクに行っていないから学科試験にパスしない」「片足を失ってしまったからダイバーに復帰できない」といった理由でカールの行動にあれこれ言ってくる人間が現れるのだが、カールの信念は固く一向に方向がブレない


 そのカールの信念のブレなさは凄いなと思うのだが、もうちょっと彼の信念のブレなさの源泉を描いてほしかったなとは思う

 上に書いたように、彼の将来を慮って父親が背中を押し続けたことも一因になっているだろうし、海軍に入ったことによって自分の名誉を重視するようになったかもしれない

 そこらへんを感じさせるエピソードが欲しかった



 その他にもちょっと物足りないなというところは多い


 カールと最初は反目し合い、後に同じ目標に向かって結束するビリー・サンデー(ろばーと・で・にーろ)に関するエピソードももうちょっと欲しかった

 カールは常に革新的であるとともに、海軍の伝統を重んじるという矛盾をしたキャラクターで、聴聞会で海軍の伝統を重視する姿勢を示したところ委員の一人が好感を示すシーンは非常によかったと思うが、サンデーも同様に革新と伝統が両立したキャラクターで、その二人が同じ目的に向かって進むというのは必然だったのかもしれない

 それを実感させるためにも、もうちょっとビリーについて描くことが必要だったと思う


 また、水中のシーンが多いためにイマイチ感動が伝わってこないところがある

 一番よかったのは聴聞会でカールが重い潜水服をまとって歩くシーンだったと思うが、ダイバーがメインの映画なのに地上のシーンがいいというのはちょっとおかしいなと思う

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2009-07-0320090703

[]Milk Milk - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Milk - 拡散していけど、とりもなおさず Milk - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

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 いい映画

 以下ネタバレ含む




 日本語で同じ「自由」という言葉に訳される英単語に「freedom」と「liberty」という2つの言葉がある

 「freedom」は自由でいる状態、「liberty」は何らかの束縛から自由になることを指すらしい


 どんなに他人から差別や迫害を受けようが、誰だって「freedom」という意味においては自由だ

 だが、その差別や迫害がこの映画で描かれるような警察官達による同性愛者への暴行や、同性愛者の教師を解雇できるプロポジション6(提案6号)という形になって降りかかってきてその存在を否定しにかかったとき、「liberty」を求めて戦わねばならない


 この映画の主人公、ハーヴィー・ミルク(しょーん・ぺん)はそこのところを痛いほどよくわかっている

 自分はマイノリティだが自由でいるから他人に理解されなくても構わないという態度ではなく、同じマイノリティの人間が憂き目にあっていることを共感し、それを改善するために対峙する側の人間と同等の権力を持つことを非常に意識している

 そのために異性愛者たちと同じ格好をし、メディアを利用し、デモを治めるミルクは狡猾な人間にさえ映る

 逆に言えばそこまで狡猾にならなければ自分達を迫害する勢力と対抗できなかったのだろうし、単に暴力に訴えるだけではミルク以外の同性愛者が社会から常に迫害を受け続けることを見越してのことだったのだろう



 ミルクが政治を上手く利用している姿はよく描けていると思うのだが、内面の葛藤がばっさりと切られていて面白くないなと思う

 髪型を変えてスーツでびしっと決めるというのは恐らくかなりの葛藤があったと思うし、選挙に何度も落ちたことは多大な影響を与えたと思うのだがそこらへんを描かないのであまり共感が出来ない

 上に書いたように意図的にそういうところをばっさりと切っているので、ミルクの人物像を描くというよりは、その政治家としての態度を描くことによって何かを貫くことの困難さを描きたかったのだと思うのだが、それだったら余計にミルクの内面を描いて欲しかったかなと思う



 そういえば、レビューなどでダン・ホワイト(じょしゅ・ぶろーりん)が逆恨みでミルクと市長を殺したと書いてあるのを見たのだけど、ダンは同性愛者、もしくは両性愛者で、そのことに思い悩んで精神的におかしくなっていったんじゃないかなと思う

 ダンがミルクに執着しているのは政治的に折り合いがつかなかったというよりは、作中では個人的にお互いに興味を抱きあっているという風に描かれているので単純に逆恨みでおかしくなったとは思えないのだが



 さて、IMDbによれば

Matt Damon was originally cast as Dan White, but had to back out due to scheduling conflicts with Green Zone (2009).

 まっと・でいもんがダン・ホワイト役をする予定だった

Thousands of people agreed to take part in the film as extras for free.

 何千人もの人たちがノーギャラでのエキストラを申し出た

During the filming of the scene in which Dan White's son Charles is christened, the real Charles White was on the set.

 ダンの息子の洗礼のシーンでは、ダンの息子本人が立ち会っていた

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2009-07-0220090702

[]Cruel Intentions Cruel Intentions - 拡散していけど、とりもなおさず を含むブックマーク はてなブックマーク - Cruel Intentions - 拡散していけど、とりもなおさず Cruel Intentions - 拡散していけど、とりもなおさず のブックマークコメント

クルーエル・インテンションズ
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 あまり面白くない

 以下ネタバレ含む




 設定などが現代の割には、昼ドラみたいに仰々しく時代がかっていて、かつドロドロとしたもので地に足の着いていないものだったので、よっぽどモテなくて想像力がない男が脚本を書いたんだろうなと思って見終わった後に調べてみるとコデルロス・ド・ラクロという18世紀の小説家の書いた『危険な関係』という話が原作みたいだ

 しかし、現代の設定に翻案するなら地に足が着いていないセリフや設定を逆手にとってコミカルにするなどもうちょっとやり方があったと思うし、その力量がないなら近代を舞台設定に選べばよかったのになと思う


 プレイボーイであり、恋愛を賭けの対象にしたり、他人を嘲笑するために恋愛をするようなセバスチャン(らいあん・ふぃりっぷ)がアネット(りーす・うぃざーすぷーん)に本気で惚れてしまうことによって歯車が狂っていくというのはありがちだが、そのありがちなことを描く器量がないと思う

 セバスチャンがアネットを特別だと感じ、アネットも恋人がいて婚前交渉はしないという主義を持っているのにセバスチャンに体を許してしまうのだから、二人の関係を構築するようなエピソードを積み重ねる必要があると思う

 セバスチャン、アネット、キャスリン(さら・みしぇる・げらー)の三人に焦点を絞って、その三人のエピソードをもうちょっと重点的に構築していった方が良かったのではないかと思う



 さて、IMDbによれば

Swoosie Kurtz also appeared in Dangerous Liaisons (1988) which, like this film, is based on the Choderlos de Laclos novel "Les liaisons dangereuses".

 すうーじー・かーつ(注:多分、最初に出てきた女医役の人)は同一原作の『危険な関係』にも出演している

The magazine in which Valmont finds the article that Annette wrote on virginity has Jennifer Love Hewitt on the cover. Both Ryan Phillippe and Sarah Michelle Gellar starred with her in I Know What You Did Last Summer (1997)

 アネットが処女について意見を述べた記事が載った雑誌の表紙はじぇにふぁー・らヴ・ひゅーいっとだが、彼女とさら・みしぇる・げらー、らいあん・ふぃりっぷは『ラストサマー』で共演している

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Toward the end of the film when Kathryn tells Ronald that Sebastian had hit her, the actual scene of Sebastian striking her was filmed, but it was deleted afterwards because the dialogue from Sebastian during this part didn't fit his character.

 キャスリンがドナルドに対してセバスチャンが自分をぶったというセリフがあり、実際にそのシーンを撮影したが、セバスチャンのキャラクターに似合わないと判断してそのシーンは削除された

Sebastian sitting in a wheelchair by the pool and listening to Ludwig van Beethoven's 9th Symphony is a reference to Stanley Kubrick's A Clockwork Orange (1971). In the end of the movie the old man in a wheelchair (Mr. Alexander), whose wife Alex and his droogs raped, is torturing Alex by playing the 9th Symphony as Alex is upstairs locked up in a room.

 セバスチャンがプール脇で車椅子に座りベートーベンの第九を聞いているシーンがあるが、『時計仕掛けのオレンジ』と関連付けている

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The scene in which Annette slaps Sebastian was also unscripted. Reese Witherspoon and Ryan Phillippe were so into their scene that she slapped him unexpectedly, and Phillippe's reaction is genuine. He was so into the scene that right after the director said cut, he went behind the set and threw up. The director left the scene in the final cut.

 アネットがセバスチャンを平手打ちするシーンは脚本にないもので、りーす・うぃざーすぷーんが咄嗟にやったのでらいあん・ふぃりっぷが驚いた表情をしているのは演技ではなくそのことに驚いている

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2009-07-0120090701

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 いい映画

 原題の「Grace」は主人公のスタンレー・フィリップス(じょん・きゅーざっく)の妻の名前

 以下ネタバレ含む




 人は、大切なものを失ってみないと、その大切さを気づけない


 ホームセンターで働くスタンレーは妻のグレースが戦争に行ってしまったために男手一つで二人の娘を育てている

 12歳の長女のハイディ(しぇらん・おきーふ)は反抗期真っ只中といった感じで学校でもややトラブルを抱え、妹とまだ遊びたいが素直にそれを態度に示せず、またスタンレーを疎ましく思ってもいるだろう

 

 スタンレーは戦地に赴いた軍人達の妻の会に参加するがどうも馴染みきれないぐらい内向的で、決して二人の娘を愛していないわけではないが世話は苦手のようだ

 戦争には妻ではなく自分が行けばよかったと思っているし、そんな自分が情けなくてハイディがテレビで戦争関連のニュースを見ているのも制止してしまう


 そんなある日、スタンレーの元に二人の軍人がやって来る

 こういった構造は多くのアメリカ人と戦争の関係を上手く表していると思う

 じょん・きゅーざっくが(恐らく)体重を増やし目指そうとしたのは、そこらへんにいそうな内向的なアメリカの白人の中年男性を演じることであっただろうが、その戦争が正しいかどうか判断も出来ず、思考停止に陥っている状態で、ある日肉親が戦死をしてしまうことによってようやく戦争は間違っていることに気づくことが出来るというのは、率直な大多数のアメリカ人の対テロ戦争に対するスタンスを象徴するものだろう



 しかし、矛盾しているようだが、911以降に作られた対テロ戦争を材料にした映画の中で、一番戦争の匂いを感じさせない映画かもしれない

 恐らくは意図的に戦争に対して意見を表明することを避けている


 これは、スタンレーにアメリカ人と対テロ戦争の関係を象徴させながら、それに固執しなかったせいなのだろうと思う

 アメリカ人と対テロ戦争の関係を額縁に使いながら、そこに描かれた絵というのは、「死の暴力性からやや現実逃避しながらも立ち直っていく家族」というものだ


 厳格であるスタンレーにとって仕事をサボったり、娘たちに学校をサボらせたりするという行為はそれまでしなかったに違いない

 グレイスが死んだからといって普段と違う行為を取るというのは、ある意味葬式に近いものだと思う

 スタンレーが自分の家に電話をかけるのはグレイスが死んでいることを理解していないわけではなくて、その声を聞きたいからだし、自分が代わってやれなかったことを後悔しているからだ

 そういう意味では真っ当に、時間をかけながらスタンレーは死と向き合っているし、そういう常識的な行動を取るという意味でもスタンレーは標準的なアメリカ人を象徴しているのだと思う



 ちょっと文句をつけるとすれば、少し単調かなと思う


 いきなりグレイスを失ってしまったスタンレーが、ちょっと視界からハイディや次女が消えてしまうとパニックに陥ってしまうというのは理解できなくもないのだが、それが何回もあるのでダレるし、スタンレーが留守電にメッセージを残すというのも同様


 その2つのアイデアはいいと思うし、所々でいい演出も光っている

 低予算というのが伝わってくるがそれが決してマイナスになっておらず、もっとアイデアを磨いていったら本当に傑作になったのではないかと思う

 妻の死を隠すスタンレーをハイディが見透かしているけどそれを自分の心だけにとどめて、父親への反抗心が薄れていくところなんかもとてもいいなと思うし



 さて、IMDbによれば

The film was originally going to be directed by Rob Reiner, who dropped out during pre-production for unknown reasons. The film's writer, James C. Strouse, then took over directorial duties.

 ろぶ・らいなーが監督をする予定だったが、理由不明で降板してしまったために脚本家が監督も兼務することになった

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